コロナ「第三次世界大戦」の意味するところ

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コロナ「第三次世界大戦」の意味するところ

コロナウィルスとの戦いは、戦争である。

コロナの猛威を国家的な危機と捉えた各国の指導者達は揃ってそのように国民を鼓舞してきた。

そしてパンデミックが一部の国に留まらず、世界中に混乱が拡がる中でいよいよ「第三次世界大戦」なる表現も浮上してきた。単に世界中が「戦争状態」だから「世界大戦」なのか、それとも。

この意味するところを考えたい。

世界の秩序を決定してきた世界大戦

人類史上、最初に起こった世界大戦が第一次世界大戦だ。

1914年、ユーゴスラビアのサラエヴォを訪問していたオーストリアハンガリー帝国の王族が暗殺されたことに端を発した両国の戦争が、それぞれの同盟網に火をつけてわずか数週間のうちに列強全てを巻き込む世界大戦へと発展した。

第二次産業革命による技術革新によって破壊力を増した戦争によって、戦火は瞬く間に欧州全体に拡大し、軍民合わせて1500万人以上の人命が失われた。

1919年のパリ講和会議においては戦勝国側の五大国(英・仏・日・米・伊)が中心となって講和条約を策定し、戦後の秩序を維持する機関として国際連盟が設立された。この際、常任理事国のポストは戦勝国によって独占され、敗戦国に不利な世界秩序が構築された。

その20年後、第二次世界大戦が起こる。

1939年、再軍備を果たしたドイツによるポーランド侵攻によって第二次世界大戦が幕を開いた。翌年にはドイツと日本・イタリアによる三国同盟が成立。その2年後には連合国共同宣言による連合国が成立し、今日の我々がイメージする「枢軸国」対「連合国」の図式が完成した。

その後、戦争の趨勢や各国の利害によって両陣営の参加国は徐々に拡大し、戦火は欧州・アフリカ・アジア太平洋を飲み込んで文字通りの世界大戦となった。核兵器の登場やホロコーストなど、人類史上最悪の戦争と言われるこの戦いによって、6000万人以上の人命が失われた。

1945年、枢軸国は敗れ、その翌年には第一次世界大戦後の世界秩序を象徴していた国際連盟も解体された。そして戦勝国側の新たな五大国(米・英・仏・ソ・中)が中心となって新たに国際連合が設立され、五大国がそのまま常任理事国についたことで、戦後の世界秩序が構築された。

その後、1991年のソ連崩壊による冷戦終結によって米国が唯一の超大国として覇権を握る。そして2000年代に入ってから顕著となった中国の台頭によって、現在は米中二極時代が到来した。

変わるパワーバランス、国際秩序変化の時

話をコロナウィルスに戻そう。

コロナウィルスの世界的パンデミックに関しては、多くの陰謀説が囁かれている。曰く、「コロナウィルスは特定の国家が開発した細菌兵器である」とか「意図的にウィルスをばら撒いている」とかいった類のものである。

これらの陰謀説について本稿で特定の立場をとりたいとは思わない。実際のところがどうであるのか、我々一般庶民には到底図り知ることなどできない事だからだ。

しかし、ひとつ確かなことがある。

それは、ここまで世界的に影響・被害が拡がってしまったこと、そしてこれからも拡大するであろう事を踏まえれば、コロナ禍が収束した後の世界、いわゆる「アフターコロナ」の世界は決して元通りの世界には戻れないであろうという事だ。

文化的な面、経済的な面、政治的な面、そして軍事的な面など、あらゆる面で大きな変化がもたらされるはずだ。

自国のコロナウィルスをいかに早く収束させ、他国に先んじて経済を立て直せるか、それによって国家間のパワーバランスも大きく変わることだろう。今後の世界秩序が決定される瞬間、まさに「世界大戦」である。

個々の陰謀説が事実であるかはともかく、このような世界的な混乱期にあって国際政治がキレイ事ばかりで済むはずがないのは間違いない。自国が優位に立つ為に他国の足を引っ張ることなど、世界の中ではむしろ行われていて当然とさえ言える。

「人類とウィルスの戦い」は、国家間の競争や水面下での争いといった様相を呈してきた。今後、各国の危機が深まれば、より直接的な対立へと発展する可能性も否定はできない。

日本の総理大臣が「コロナウィルスは第三次世界大戦だ」と述べたというニュースが世間を賑わしたが、至極もっともな現状認識だろう。

政府としては限られた財政資源を最大限に活用するタイミングを、こうした危機への備えやコロナ収束後の経済再建時に見据えていたと思われる。しかし、高まる批判に耐えきれず全国民への一律現金給付へと舵を切り、緊急事態宣言の対象を全国へと拡大した。

世界の混乱が深まる中、限定的な権限しか持たない日本政府。

作り足した「特措法」をもさっそくフル活用して、政策的な余地は他の国よりも圧倒的に少ない自縄自縛のこの国。その手綱を握っているのは他の誰でもない。我々国民だ。

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