妻がPCR検査を受けた(5日目)~PCR検査~

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妻がPCR検査を受けた(5日目)~PCR検査~

発熱から5日目。妻がPCR検査を受ける日が来た。

指定された医療センターの発熱外来へ午前9時に紹介状を持参して来るようにという指示であった。

紹介状は、前日に受診した医療機関が発行してくれた。本人は自宅で待機していた方がよいとのことだったので、診療時間が終わってから代わりに筆者が取りに行っていたのだ。

この際、受付の女性に「旦那さんもどうかお気をつけて下さいね。」と心配して頂いたが、前回の記事でも書いたように自宅の中で隔離といっても限度がある。「ありがとうございます。」とだけ返した。

帰り際に、少し気になったことを尋ねてみた。

「この病院から、PCR検査の紹介をするのは今回が初めてですか?」

地域のクリニックである。ここでどれくらいコロナの疑いがある人がいるのか、少し気になったからだ。

受付の女性は少し困惑した表情で、もう一人の女性と顔を見合わせた。

「えーっと・・・、さぁ・・・どうでしょう?」

しまった、と思った。

地域のクリニックであるからこそ、風評は大いに気にするところであろう。そもそも患者に何の病気が何人いたなどという話を不必要にすること自体、個人情報や機微情報の取扱いとしても不適切だ。このような問いかけをしても、常識的に考えれば答えられるはずがない。

愚かな質問をしてしまったな、と反省しつつ帰宅した。

話を5日目に戻そう。

この日は筆者も自宅待機命令で朝から家にいたのだが、念のため検査へは妻一人で行った方が良いとの医師の勧めで、筆者は一人留守番ということになった。

出来るだけ誰とも接触しないように車で行くのだが、発熱外来は感染の疑いがある人で混雑しているに違いない。何といっても、丸一日待たなければ受入機関が決まらない程だ。

むしろ、コロナウィルスの危険がどこよりも高いホットスポットなのかもしれない。もし今コロナウィルスに感染していなかったとしても、下手をすると発熱外来で感染してしまうかもしれない。

筆者の頭を不安ばかりがよぎる。そのためか、思いつく限りの対策をするように言った。

「手袋をしていこう」「誰にも近づかないように」「マスクは二重にしていこう」「何にも触れてはいけない」と、こういった具合だ。

さぞ煩かったに違いない。極めつけは、いつでも手指を消毒できるようにアルコールスプレーも持たせた。我ながら思うが、自分のことだったらここまでしないかもしれない。自分の中での妻の存在の大きさを改めて思い知らされた次第だ。

発熱外来の様子は…

数時間後、PCR検査から帰宅した妻から発熱外来の様子を聞いて驚いた。なんと、発熱外来は閑散としていて、ほとんど人がいなかったというのだ。

聞いた話を時系列に沿って紹介しよう。

病院についた妻は、発熱外来へと向かった。通常のロビーとは異なり、一般の患者と接触せずに入れるように遠く離れた場所に専用の入口が設けられていたそうだ。

中へ入ると、防護服を身にまとった看護師と思しきスタッフが現れて、パーティションに区切られた一角へと案内された。

そこには診察室の扉がひとつあり、その前の廊下には間隔を置いて4つの長椅子が設置されていた。この時点で、他の患者は一人もいなかったようだ。

しばらく待っていると、妻は診察室に呼ばれた。

診察室には防護服のスタッフが2人いたようだ。紹介状に沿った内容で一通りの問診があり、それから指先に検査装置を付けて何かの測定を行ったという。おそらく、血中酸素濃度の測定であろう。

それから、鼻に細長い棒状の検査キットを入れ、粘液を採取したそうだ。妻曰く、インフルエンザの検査と似ていたが、インフルエンザよりも深くまで差し込むらしく、痛かったという。

5分程で問診と検査を終え、妻は待合室に戻った。この際、必ず来た時と同じ長椅子に座るように指示があったそうだ。恐らく、妻が帰った後に消毒するのだろう。

この段階になって、ようやくもう一人の患者が現れた。妻が座った長椅子とは対角線上に置かれた長椅子に案内されていた。

そこで再びしばらく待っていると、スタッフが現れて今日は帰って大丈夫だという。

そして、PCR検査は専門の機関に検体を送って行うため結果が出るまでには2~3日を要すること、会計は後日郵送で請求することを伝えられた。

妻が発熱外来に到着してから、帰るまでおよそ40分。その間に目にした他の患者は1人だけ。検査に従事しているスタッフは2人だけだったという。

PCR検査の実施数が少ない理由を垣間見たか

ここからは全て筆者の推測であるが、恐らくこの2名のスタッフは検体採取の専従スタッフなのだろう。そして1人の患者から採取する都度、全身の防護服を着替えて、使用した器具や椅子等を消毒しているはずだ。報道で見たことがある人も多いと思うが、防護服は一回ごとの使い捨てで、感染リスクを避けて適切に着替えるのには相当の手間と時間がかかるという。

そうした事も踏まえると、この病院での検査は恐らく患者1人当たりスタッフ2人がかりで1時間程度かかっているのではないだろうか。そして、来院時間を1時間ごとに区切ることで、患者同士の接触をできるだけ少なく抑えているのだろう。

今回、妻は他の検査ブースを目にしていない。もしかすると他にも複数のブースがあったのかもしれないが、これ一つだけだったのかもしれない。地域にあるそれなりに大規模な医療センターだ。

国は3月末時点で1日に9000件のPCR検査を実施する能力があるという。今後、これを2万件に増やす予定でもあるという。しかし、実際に検査が行われた件数は、多い日でも3800件程度にとどまっている。

病床が不足して医療崩壊を招いてしまう懸念から、検査数を抑制しているのではないかという報道は良く目にする。しかし、病床数以前の問題として、そもそも医療機関が検体採取に割く力が不足しているのかもしれない。

患者1人の検体を採取するのにに2人がかりで1時間。毎日2万人採取しようとしたら、一体何人の医療スタッフと何着の防護服が必要になるのだろうか。海外で目にする大量検査では、これほどの手間をかけているのだろうか。日本は手間をかけすぎなのか、それともこれほど厳格に行っているからこそ感染者を少なく抑えられているのか。

詳しいことは筆者にはわからない。

ただただ、2~3日後という検査の結果を待つのみである。

次は…「 妻がPCR検査を受けた(最終日)~私達に求められていること~ 

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