休業要請 国と都ですれ違い ナゼ?

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休業要請 国と都ですれ違い ナゼ?

新型コロナウィルス特措法に基づき7日に発令された「緊急事態宣言」に基づき、東京都は外出自粛の徹底などを要請した。一方で、当初は要請に含まれると目されていた特定業種への休業要請については、都は国との調整が難航しているためとして未だ発表していない。

都道府県知事に権限を付与するための緊急事態宣言で、なぜ国との調整が必要になるのだろうか。

そもそも休業要請とは

緊急事態宣言によって可能になる休業要請とは文字通り、特定の業種に対して休業するように要請することだ。

外出自粛要請と同様に、違反したことに対する直接的な罰則規定はない。しかし一般人向けの外出自粛要請とは異なり、休業要請には実質的な強制力が生じるとされる。

何故ならば日本の場合、多くの業種が当局の許認可に基づいて営業している。当局が不適切と判断すれば企業活動の大前提となる許認可が揺らぐ恐れがあるため、企業としては当局に睨まれることは絶対に避けなければならない事態なのだ。

それだけに休業要請の効果は強く、必然的にその影響力も大きい施策なのだ。

なぜ国との調整が必要なのか

だがそもそも、なぜ休業要請を行うにあたって国と都道府県が調整を行う必要があるのだろうか。

まず大前提として、 新型コロナウィルス特措法では休業要請は都道府県知事の権限で行うものとされている。

一方でどの業種を休業要請の対象とするかは、国が選定することとされている。休業要請の実施にあたって都が国と調整する必要があるのはそのためだ。

今回、東京都は大学や学習塾、百貨店、ライブハウス、居酒屋、インターネットカフェ、ホームセンター、理髪店など多数の業種を休業要請の対象としたい考えだ。

一方で国は厳しすぎる休業要請には消極的で、少なくともホームセンターや理髪店は除外したい意向だと報じられている。

なぜ、国はホームセンターや理髪店を除外したいのだろうか。理由はまさに、休業要請の影響力の大きさにある。

東京都が休業要請を行った場合、都内の対象業種は本当にほぼ全て営業を停止することになる。百貨店や居酒屋、ライブハウス等の遊興施設であれば、一般人も外出自粛を行っている最中であるので緊急事態が終わるまで我慢することもできるだろう。(そうして貰わなければ困る)

しかし、理髪店はどうか。自宅で大人しくしていても髪は伸びる。都民1000万人が皆、髪を伸び放題のままで過ごせるだろうか。

また、ホームセンターにも日常生活で必要な品が多数あり、それらは必ずしも近所のスーパーで手に入るものばかりではない。

これら生活する上で必要不可欠なサービスが都内から無くなると何が起こるか。都民は周辺の県でそれらのサービスを受けようとして、大量の越境移動が発生することになるのは明白だ。結果として周辺県での感染者を増やすことにも繋がりかねない。

都としては、より多くの業種が休業した方が都内の感染は抑えられると考えるのは当然だ。しかし国は国家全体を見て考えなければならない。

こうした立場の違いから、国と都道府県の見解が異なるのは当然起こり得ることであるし、まさにそれを調整する為に、対象業種の選定は国が行う仕組みとなっているのだろう。

とはいえ、準備に準備を重ねて慎重に発令されたかに見えた緊急事態宣言の直後に国と都の溝が浮き彫りになったことで、国民が一体となってコロナウィルスとの戦い挑む空気に水を指してしまっている感は否めない。

東京都は日本の経済の中心であり、大企業の本社も多く所在する。
先述した影響力という面では、東京での施策が全国に波及する効果は他の道府県と比べて間違いなく大きい。

国と都は互いに力を合わせ、一刻も早く結論を出して貰いたいものである。

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