国産仮想通貨から投げ銭サービスがなくなる日

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資金決済法を回避するには?

では、資金決済法を回避する方法はあるのでしょうか。

法案が否決されれば廃案となって今まで通りとなりますが、その可能性はあまり高くなさそうです。というのも、アンチマネロンや利用者保護の観点から考えるとウォレット業者に対する規制はやはり必要と考えるのが一般的であり、FATF( 金融活動作業部会)も各国政府にそのように要請している中での動きです。野党がこのテーマで存在感を発揮する意思や能力があるとも思えません。

katsuo自身も、仮想通貨の自由さが失われていくことは寂しいですが、やはり仮想通貨が社会に浸透していく上では必要なステップなのだろうと思っています。

では、どうするか。

仮想通貨以外の「投げ銭」サービスがどのように対応しているかがひとつのヒントとなりそうです。

先ほど、法定通貨で投げ銭サービスを無許可で提供すると違法になると書きましたが、実際にはYouTubeやSHOWROOM、ニコニコ動画など多くのサービスで「投げ銭に類似した機能」が提供されています。

YouTubeの場合

例えばYouTubeでは「スーパーチャット」というライブ配信機能を使うことで、視聴者がチャンネル主にまるで投げ銭のようにお金を投げることができます。

なんだ、法定通貨で投げ銭サービスやってるじゃないか!っと思うなかれ。

これは投げ銭のように見えるだけで、投げ銭ではないのです。

スーパーチャットを送りたい人は、まずYoutubeで「SuperChat」を100円から50,000円の範囲で購入します。

すると金額に応じて送信できるコメントの文字数や、カラーティッカーに固定表示される時間の長さが変わるのです。

視聴者はこうした特典をYoutubeから購入していることになります。

一方でYoutubeはコンテンツを配信したチャンネル主に対して、非公開の計算式に基づいて算出された報酬額を支払います。 その計算式の中に「SuperChat」が購入された実績も含まれており、視聴者の購入額のおよそ7割弱程度がチャンネル主に渡ると言われています。

視聴者からチャンネル主に資金が移動しているのではなく、視聴者とYouTubeの取引、YouTubeからチャンネル主への報酬という形で投げ銭行為を分解して、「資金移動ではない」という体裁を整えているわけですね。(そのため、事業者側は投げ銭の何割が相手に届くかといったレートを絶対に公表しません)

パチンコの3店方式を彷彿とさせるような屁理屈にも見えますが、実際、世の中にある「投げ銭に類似した機能」はこのようにして資金決済法の規制を回避しているわけです 。

仮想通貨の場合は?

では、仮想通貨に当てはめるとどうなるのでしょう。

改正案を見る限り、仮想通貨に関しては顧客の「暗号資産を管理する」ことが規制対象となっているように見えます。

であるならば、顧客の仮想通貨を預からないという手はあるかもしれません。

送り手には仮想通貨でサービスに使えるポイント等を購入してもらい、投げ銭する際には仮想通貨ではなくそのポイント若しくは代替の価値が相手に届く、といった仕組みが考えられそうです。しかし、投げ銭されたポイントがストレートに相手に届き、そして仮想通貨に換金しなおす機能まで提供してしまうとやはりややこしい事態に陥ってしまうかもしれません。

固定レートでポイントと仮想通貨の相互交換を明示・保証してしまうと、実質的に顧客の仮想通貨を預かっていると看做されてしまう不安は拭えません。

どこまでがセーフでどこからがアウトなのか。専門家の知見も交えて研究が進むことに期待したいところですが、やはり安全策としてはYoutubeの事例のように「サービス」と「報酬」というように取引を分解するのが無難かもしれません。

仮想通貨サービスを運営する人は、法律を正しく理解した上でうまく抵触しないようにサービス設計していくことが重要になりそうです。

もちろん、そんなことは今の社会では何をするにも当然のことでもあります。こうした悩みが増えていくのは仮想通貨がどんどん社会に浸透してきていることの証左ともいえるかもしれませんね。

参考:金融庁 国会提出法案等
「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案」

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