国産仮想通貨から投げ銭サービスがなくなる日

スポンサーリンク


国内から仮想通貨の投げ銭サービスがなくなってしまうかもしれません。

SanDeGoユーザーの方ならば、あるいは国産仮想通貨のコミュニティに参加している人ならば、投げ銭サービスを使ったことがあるか、あるいは名前くらいは聞いたことがある人が多いことでしょう。

TwitterやFacebookなどのSNSでいうところの「いいね」ボタンと同じように、気軽に共感や感謝を示しつつ、小額の金銭をチップとして相手に送ることができる機能やサービスのことを「投げ銭」といいます。

この「投げ銭」、例えばSanDeGoに関していうならば「SENSU」や「まるちっぷ。」などのサービスで簡単に行うことができますし、他の仮想通貨でも何かしらの形で投げ銭サービスに対応しているケースが多いようです。有名通貨ですとXRP(リップル)の投げ銭サービス「XRPTipBot」などもあります。

「投げ銭」、法定通貨ではもともと困難

仮想通貨では当たり前のように提供されている「投げ銭」サービスですが、実は日本国内で法定通貨(日本円など)を用いて無許可に提供してしまうと違法なんです。

それもそのはず。資金を誰かに送金するという行為は「為替取引」にあたり、提供する事業者は「資金移動業」の登録をしないと「資金決済法」に抵触する恐れがあるからです。

そもそも、為替取引はもともと銀行でなければできない業務でしたが、2010年に施行された資金決済法により資金移動業者でも一定の条件下で取扱えるようになった経緯があります。

それでも顧客全員の本人確認を実施する必要があったり、送金サービスで受領した金額の100%以上の供託義務があったりと、資金移動業への登録はハードルが高く設定されています。

そのため、実際に資金移動業に登録している業者はLinePayやYahooなど、小数に限られているのが実情です。

「その場の勢い」や「手軽さ」が重要な要素となる「投げ銭」サービスにとって、事前に本人確認をした人の間でしかできないのでは、あまり意味がありませんよね。

そのため、純粋な投げ銭サービスはあまり見かけないのです。

近々、仮想通貨でも困難になる?

それでも仮想通貨を使った「投げ銭」であれば、これまで何のお咎めもなく自由に運営することが可能でした。2017年に資金決済法が仮想通貨取引所を「仮想通貨交換業」として規制の対象としましたが、ウォレットや送金のことまでは規制対象にされていなかったからです。

しかし今年の3月15日に、この資金決済法の改正案が閣議決定されたことで状況は変わりつつあります。

詳しくは仮想通貨メディアNEXTMONEYの方で「国内の投銭サービスが全滅の危機か|ウォレット業規制強化で」という記事に書かせて頂きましたのでご参照頂ければと思いますが、一言で言えば、改正案では「暗号資産の管理」のみを行う業者(ウォレット業者・カストディ業者)も「暗号資産交換業」の登録対象となったのです。

(注:今回の改正案から、仮想通貨の法律上の呼称が「暗号資産」となっています)

こうなってくると、投げ銭(送金)のための資金をWebウォレット形式で預かって管理している「投げ銭」サービスは「暗号資産交換業」に該当する可能性が高く、金融庁への登録が必要になってきます。

そして国内仮想通貨取引所と同様に、「事業者と顧客の資産を分別管理」「顧客の本人確認実施」「信頼性の高いコールドウォレットの整備」「ホットウォレット残高に対して見合いの弁済原資を確保」などの基準を満たすことが必要になってしまうのです。

個人レベルや有志のコミュニティレベルで運営していることが多い投げ銭サービスにとって、これらが容易には超えられないハードルになることは間違いないでしょう。それだけの体制と仕組みを構築・維持するだけのコストもペイできなければなりませんが、もともと投げ銭サービスだけでそのような収益を得ることは難しいのが現状ではないでしょうか。

金融庁の改正案説明資料より抜粋。変更点の一つとして右下にさらっと書かれているが、この変更が仮想通貨投げ銭サービスに与える影響は大きい。

今回の資金決済法改正案はまだ法案として閣議決定されただけで、これから国会審議が重ねられていくことになります。金融庁としては今国会での成立を目指し、2020年6月までには施行させたい考えのようです。

法案によると施行から登録までの猶予期間は6ヶ月とのことですから、現在のようにWebウォレットを個人レベルでも自由に提供できる環境は、長くても2020年末には終わってしまうかもしれないということですね。

<次ページ:資金決済法を回避するには?>