MANGACOINも被害!51%攻撃は犯罪なのか?

 

51%攻撃は犯罪なのか?

さきほど攻撃を仕掛ける側(実行犯)にとってのリスクの話が少し出ました。

攻撃が赤字になる可能性があるという点は、ひとつのリスクでしょう。しかしもっと大事な観点があります。

51%攻撃は犯罪なのでしょうか?

51%攻撃自体の違法性

仮想通貨に対する法整備はまだ始まったばかりで、既存の法律の適用に関してもまだあまり判例が積みあがってはいないようです。しかし、直接的な判例を聞かないからといって違法ではないと早とちりするのは間違いでしょう。

例えば、誰かからビットコインを盗んだとしても、仮想通貨は「有体物」ではないので窃盗罪の対象にならないという意見があります。それ自体は事実です。しかし、ビットコインは道端に落ちているものではありません。盗むためには不正に他人のウォレットを操作する必要があります。そうすると、不正アクセス禁止法によって処罰されます。ちゃんと既存の法律で守られているのです。

では、51%攻撃ではどうでしょう?

不正アクセス禁止法は他人の識別符号(ID・パスワード等)を利用するなどして、本来制限されている機能を使用したりすることを禁じています。不正なブロックチェーンを仕込む行為が不正アクセスにあたるかどうかは難しいかもしれません。しかし、刑法に規定されている電子計算機損壊等業務妨害罪にはあたる可能性があると思われます。これには電子計算機(コンピュータ)またはそれに使用される、電磁的記録の機能や効用を阻害して人の業務を妨害する行為が該当します。51%攻撃はまさにこれでしょう。

攻撃で利益を得た場合の違法性

では、51%攻撃によって不正な取引を生み出して利益を得た場合はどうでしょうか?

この場合は、同じく刑法に規定されている電子計算機使用詐欺罪にあたる可能性があると思われます。これには他人の電子計算機(コンピュータ)に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて、財産の得喪・変更に係る不実の電磁的記録を作る行為が該当します。

 

いずれの法律も20~40年前につくられた古いものですが、そもそも典型的な悪事に新しいも古いもありません。仮想通貨が普及し始めたのはここ数年くらいの話で、法律の整備が追い付いていないという声がよく聞かれます。たしかにそれも事実でしょうが、そもそも仮想通貨が世に出てくるもっと前から社会インフラには電子システムが浸透し、世の中の重要な仕組みの多くがIT技術によって成り立っています。仮想通貨がただ新しいからという理由で既存の法律に全く守られていないと考えるのは早計でしょう。

 

まとめ

今回の記事では、PoW通貨が相次いで51%攻撃されていること、そしてPoS通貨も理屈上は51%攻撃をされうる(但し犯人側は大赤字必至)ということを解説してきました。

そして、51%攻撃は刑法上の犯罪であるという点は、当サイトの意見として強調しておきたいと思います。

もちろん、法律に書いてあるからといって自動的に処罰されるわけではなく、警察が事件を認知し、捜査・検挙・起訴のうえ、裁判で判決が出て初めて判例として確定するわけですから、事件に対してははっきりと被害を届け出て警察に認知してもらうことが大事でしょう。

ちなみに、BitZenyの運営チームは今回受けた攻撃について被害届を提出する予定は無いとのことです(11/17 BitZeny Discordより)。また、Yentenはそもそも運営チームが崩壊してしまっている為、被害届を出す主体にはなり得ないと言えるでしょう。

各通貨の運営方針はそれぞれですので、当サイトで論ずることではありません。実際に、事件化することの負担が小さく無いのは事実でしょう。運営チームが個人の集まりなら尚の事です。

しかし、例え法人化していない個人の集まりであったとしても、運営チームは「人格なき社団」としての法的地位を備えることができるので、代表者が決まっていれば被害届の提出はもちろん、民事訴訟の主体にもなり得ます。従って、全ての草コインがBitZenyと同様の運営スタンスであると考えるのは間違いです。

仮想通貨への攻撃は(国内から国産仮想通貨を攻撃する場合なら特に)人生に汚点を残すリスクを負っていること、そして運営チームの体制やスタンス次第でそのリスクが大きく増減することを、利用者全体が共通認識として持っておくことが大事ではないでしょうか。

 

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